適用が進み始めたアジャイル開発

~ベンダー各社における取組みを中心に~

http://sec.ipa.go.jp/seminar/2012/20121024.html

というIPA主催のセミナーに参加してきた。

 

一言で言うと、いわゆる大企業のSIerさんがアジャイルをどう扱っているか?という事例発表会だった。

簡単に各社の内容を上げてみると、

 

NTTデータ

アジャイルを適用しなきゃという、多分、経営層の危機感から導入しようとしているか、開発現場はウォーターフォールにどっぷりで難しい。現状としては、一部の工程でいてレーション開発を導入するというアジャイルガイドラインを作成して広めている。

ScrumとLeanStartupを重要視している模様で、社内での研修体制などを整え始めている。

 

NEC

ビッグローブなどの比較的アジャイル向きと言われている領域については、導入が進んでいる模様。一方で、NECとして扱う案件は、大規模でミッションクリティカルなものをどう扱うかに関して、非ウォーターフォール型開発の導入を模索して、アジャイル開発ガイドを策定。

この内容は、XPとScrumをベースとして、これまでの管理体制のためのドキュメントなどの必要性から、リリーススプリントをきっちり置くという工夫をしている。また、ペアプロを重要視している。アジャイルによって品質を上げたいというのが一番のようだ。プロダクトオーナーをこなせる人材の不足が懸念されているらしい。

 

日立

自社のHIPACEという独自プロセスにアジャイルの思想を導入しようとしている。導入に際しては、原点に返って、アジャイルマニフェストを重要視して考えているようだ。

具体的な話が少なかったが、仕様作成者と開発者を分けたプロセスを構築しているらしい。一番の導入理由はリスク回避の模様。

 

富士通

ここまでの会社同様に、大規模でミッションクリティカルなシステムにどう適用するかが課題の模様。ここまで聞いた中では一番、アジャイルを理解して使っているという感じがした。

トヨタ生産方式の原点である工場の運営に着目してソフトウェアプロセスを考えている点が興味深かった。

多分、きっちりScrumとか使っている模様で、Scrumの研修を外売りも始めたらしい。

 

住友電工

とても興味深い発表だった。

内容としては、とりあえず、Scrumを導入してみました。というところなのだけれども、CMMIレベル5という視点から見ると、アジャイルもウォーターフォールもプロセスがちょっと違うというくらいのものらしい。

ScrumはCMMIを上げようとする際には、管理がしやすいとのこと。

 

 

大企業である故なのだと思うのだが、ほとんどの会社が、

・大規模・ミッションクリティカルなシステムにどう使うかが課題

・契約は準委任がいいけど、なかなか難しい

ということで悩んでいるようだ。
そして、

・独自のアジャイルガイドラインを作成

・自社内で研修体制を構築

ということを行っている。なんとなく、この辺で既に違和感を感じる。

 

大きいからこそ必要なのも分からなくないが、プロセスがウォーターフォールから、別なものに変わっただけという気がしなくもない。もちろん、それで改善されることもあるだろうけど、アジャイルマインドは身に付かない気がする。

多くのところでScrumを導入しているのに、なぜ、Scrum Allianceと縁を切ろうとするのだろう。

一言で言えば、守破離の「守」もできていないのに、次に進もうとしている感じ。

 

とはいえ、正直なところ、ん?と思う内容も多々あったのだけれども、このような大企業が動かないと世の中も動かない部分があり、こういった部分が動くと、本当にアジャイルをやろうとしている人がもっと動きやすくなるのかなとは感じた。